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”私の” WB工法の家「体験記」

昨年、念願の自宅をWB工法で建てました。
今まではWB工法の良さは、WB工法の家で建てたお客さんから聞いた話でしか説明できませんでしたが、
実体験として語る事ができるようになりました。

住み始めてひと月ほど経った頃、外気温に比べ室温がどれぐらいの差があるのかと思い計ってみました。
以下は真夏と真冬のある日の自宅の室温と気象庁の自宅地域の外気温との比較です。
夏は午後二時頃の2階(1階より暑いため)、冬は午前6時の1階(2階より寒いため)にしました。


夏と冬のある日のデータ

 2021年8月2日午後1時30分

 当日は朝から家族全員仕事のため窓は全て閉め、階段ホールのファン(WB工法専用)を
「夏・弱」で回し、ホールの24時間換気扇を一台回しておいた結果です。エアコンは回していません。


<ファンと換気扇1台回していた>


2階廊下の室温 31℃ 湿度62%

当日の午後2時の外気温は32℃でした。夏の気象庁の気温は(今は違いますが)百葉箱のような場所の温度で、
本当の外気温は+5〜6℃といわれていますから、実際の外気温は32℃+5.5℃=37.5℃となり室温は外気温より

37.5℃(外気温)-31(室温)6.5℃ほど低い


ことになります。

 2022年1月2日午前6時

当日の状況は前日の夕飯時(17時から22時の約5時間)の間だけLDKの暖房を掛け、
その後は朝までLDKを含めすべての部屋で暖房をかけていません。


<暖房は前日の夕食時だけ>

1階の居間の室温 12℃ 湿度51%

当日の午前6時の外気温は-1℃でしたから、1階の室温は外気温より

12℃(室温)-(- 1)(外気温)13℃ほど高い

ことになります。


【潟Eッドビルド副社長との会話】

4月にWB工法の潟Eッドビルドの副社長に会いましたが、冬に外気温と10℃以上の温度差があるのが普通で、
むしろないとどこか問題があると言われました。WB工法の家では私の家が特別ではないようです。


≪一年住んで室温以外の様々な感想 ≫

●その1 夏と冬の感想

  妻はパートからお昼過ぎに帰ってきますが、
以前の家では一度、窓を全開して室内の熱い空気を部屋から出して窓を閉め、エアコンを入れていました。
ところが、今の家では2階でもそこまでの暑さを感じないため、
窓を開けないですぐにエアコンを入れています。
また、以前の家では夏の昼間のトイレは暑くてたまらなかったが、トイレも他の部屋と同じ温度で気にならないと話しています。

<夏の昼間のトイレも気にならない>
  12月から2月中頃までほぼ毎朝6時頃計りましたが、
室温は12℃を下回った日はありませんでした。
部屋だけでなく床も暖かく、スリッパなしでも足が冷たくありません。夜トイレに行くとき、(素足でも)廊下が冷たくありません。

<スリッパ不要>
 




●その2 省エネ

WB工法の家で一年間生活して、夏の冷房も冬の暖房もかける時間が短く、特に冬はLDKで暖房をかけると2階の
部屋も暖かい。冷暖房なしでは生活できないが、かける時間が短くどれだけ省エネになっているのかと思います。
また、温度だけでなく湿度もコントロールされるため、特に夏は温度の割に暑く感じません。      

豆知識

人は温度が高い時に湿度が高いとより暑く感じ、温度が低いときに湿度が低いとより寒く感じます。
温度だけでなく湿度も調整することは室内環境に大きな影響があります。

     

●その3 ニオイ
玄関に桧の腰板が張ってありますが、夜帰宅すると桧の香りがします。空気が絶えず動いているため、
他のにおいはなくなってしまいますが、桧は絶えずにおいを出しているため香るようです。


●その4 内部結露と構造材
家の中すべて確認していませんが、壁の中のニオイを電気のスイッチプレートを外してニオイを嗅いでみましたが、
嫌な臭いは全くなく内部結露の心配もないようです。内部結露がないということは、壁の中でカビ、菌類が
発生していないと考えられ、普段見えない構造材が傷んでいないと考えられます。
   

なぜこのような室温になるのか〜鍵は第二通気層の役目(私の考え)

 室温が夏は暑くなりにくい、冬は寒くなりにくい、どうしてWB工法は冒頭のような室温になるのかと
考えてみました(あくまで私の考えで、本当の理由はわかりません。)
  一般の高気密高断熱住宅との違いは第二通気層があることです(高気密高断熱住宅は第二通気層とWBの換気口が
ありません)。下図はWB工法の夏の図ですが、第二通気層は床材、壁材、天井材の外側(断熱材の内側)にあり、
室内を囲んでいます(下図の薄い青色に塗ってある所です)。その外側の網掛けのピンク色の所が断熱材です。
外気の影響を受けにくくするのが断熱材の役目ですが、熱を伝えにくくすると同時に断熱材の温度は上がり(下がり)ます。断熱材自身は蓄えた熱を処理(常温に戻すこと)はできませんから、断熱材の熱は温度の異なるところ(夏なら低い方、冬なら高い方)へ伝わります。
では、夏と冬高気密高断熱の家とWB工法の家についてどこが違うか考えてみます。

<夏>

 高気密高断熱住宅で夏に冷房を入れ室温が低い場合、外気温の影響で温度が上がった断熱材の熱は温度の低い内装材、室内へ伝わります。夜になり断熱材よりも外気温が下がれば外部にも熱は伝わりますが、温度が周囲と同じになるまで内装材、室内へと伝え室温を上げます。
 では、WB工法ではどうでしょうか。
 下の図の通り第二通気層があるため断熱材の熱は内装材に直に伝わりません。それに加えて第二通気層の空気は基礎から屋根へとWB専用換気口(基礎のアンダーヘルス、床下のバリアヘルス、屋根のハットヘルス)を通りどんどん排出するので断熱材から伝わる熱も温度が低くなります。それに加え室内の(冷えた)熱が第二通気層に伝わりますからさらに第二通気層の温度は下がり、結果、室温が上がりにくくなります。





<冬>


 冬のWB工法の家は下の図のようになります。
高気密高断熱の家は、夏と同様に外気の寒さが断熱材を冷やしその熱は内装材から室内に伝わります。
WB工法の家はアンダーヘルス、バリアヘルス、ハットヘルスの換気口は閉じていて第二通気層は外気とつながっていません。室内の暖房の熱は内装材から第二通気層に伝わり、断熱材の出す熱と混ざり第二通気層の中で回転します。図では床材下の通気層と壁の通気層はつながりがありませんが、実際の家では間仕切り壁が床下、天井とつながっていて床下の空気も動いています。室内を第二通気層の暖かい空気が囲んでいるため室温が下がりにくくなります。
また、換気口が閉じていて第二通気層の空気が汚れると考えられますが、冬でも天気の良い日に換気口が少しでも開けば空気は入れ替わりますからその心配はありません。





おわりに
 一般の高気密高断熱住宅は高断熱で外気温の影響を少なくし、気密を高めて冷暖房が効くようにすれば電気代などエネルギーコストがかからないとされていますが、断熱材は外気温の影響で温度が上がり(下がり)その影響は室内にも与えます。WB工法の住宅は、高断熱だけでなく第二通気層が通気によって温度、湿度の調節をするためより外気の影響を受けにくくします。その第二通気層空気は各所の換気口が気温に合わせて通気量を調節(暑ければたくさん流し寒ければ少なく)するため、通気によって温度が上がり(下がり)過ぎることはありません。
  夏も冬も高気密高断熱の家が断熱材で耐えるだけに対し、WB工法の家は断熱材+第二通気層だから我が家のような室温になると思われます。一般の高気密高断熱とは外気温の対処の仕方が異なる省エネ住宅だと思います。


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